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臼井八幡宮の祭礼は8月15日だが、その時、おみこしの先に白馬をかつぎ出すのが例である。 八幡宮の裏には大きな楠の木があり、その枝が沼の上につき出て、そのあたりは昼もなおうす暗かった。 ある日、漁師の九右衛門が、夏の暑さを避けて舟で昼寝をしていると、その枝の上から、これをひと呑みにしようと、大きなオロチがうかがっていた。しかし、ちょうどその時、九右衛門は不思議な夢をみたのである。 白髪の老人が杖をついて現れ、 「九右衛門さん! 九右衛門さん!」 と呼んだ。 その声にハッと夢からさめた九右衛門は、頭上の恐しさに夢中で舟を漕いで逃げ、九死に一生を得たという。そこで九右衛門は、家屋敷や家財道具のいっさいを売り、八幡様の一番好きだという"白馬"を買って奉ったといわれ、大蛇のウロコが実蔵院にあると伝えられている。 |
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担当 菅 勇二 |