印旛郡栄町安食(アジキ)にある龍角寺の雨乞い伝説はあまりにも有名であるが、西御門(ニシミカド)には雨乞いの獅子舞が伝えられている。
今年や世が良い穂に穂が咲いて
  民は豊かに今村は
     扇の如く要でしめた
名主殿
  今の宮にタカが住む
     鈴の音がする
と歌っては舞うこの獅子が、堀田公に招かれて、三度目に大雨が降ってきたというのであるが、毎年九月一日、産神(ウブガミ)-幡神(ハタガミ)-天神-金谷神-権現-白幡(シラハタ)と舞われるのである。
 雄獅子一匹、雌獅子一匹、中獅子一匹、オカメ一人、笛五、六人、太鼓一人。雄獅子、中獅子は唐草模様、雌獅子は桃の花の模様、オカメは赤の着物で、全部同じ立付ハカマ、タビ、ワラジ。オカメはササラをふりながら、初め出てくる獅子は三匹幣束をあやにして背負い、前に小鼓をつけ、それをたたきながらピョンピョン飛びまわるのである。この舞は元禄のころ、金左右衛門という人が当地に流れて来て、土地の成人した長男四人に伝えたものという。
担当 菅 勇二