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しかし、決してこんな恐ろしいたたる神ばかりではない。天下の名医の神も多いのである。特にそれは道陸神(ドウロクジン)に多い。同じような石がたくさんあったり、ワラジがさがっていたりするのは、この信仰による場合が多い。 上代(カミダイ)では、供えられているワラジをかりてはくと、足の病いによいが、なおったら二足にしてかえす。上勝田では石をかりて来てこすると荒れ性がなおるので、お礼として同じような石を一つつけてかえすのである。 ちょっとかわっているのは米戸(コメド)の道陸神である。これは、いぼ神様といわれ、足の神様であるとともにいぼ神様なのである。イボができたらそこにある萩の箸ではさみ、祠のまわりの木にその箸をなすりつけると、イボはとれるというのである。そしてとれた人は萩の箸を10膳作っておかえしするというのであるが、いまなおそうして参詣する人が多いのである。 道陸神は一般には足の神様として信じられているが、必ずしもそうばかりではない。 下勝田では、石に触れた手で眼をこすると眼病がなおるといわれ、臼井の稲荷台では、奉納されてある石で耳を撫でると、その病気がなおると信じられ、耳の神様とされている。そして使った石は洗って、しかも、倍にして返すことになっている。 さらに青菅(アオスゲ)では風邪の神様とされ、最上(モガ)町では、腰の痛みがなおると信じられている。 大佐倉のスクモ道陸神のごときは、歯痛の神様なのである。 |
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担当 菅 勇二 |