市の西部にある井野(イノ)に辻ぎりという行事が伝承されています。これは、毎年1月25日に藁で作った大きな蛇を村境の木の上に取り付けて睨みをきかせ、災厄や疫病などが外部から侵入するのを遮ることを目的とした民俗行事です。 蛇は大辻(オオツジ)と小辻(コツジ)の2つを作ります。全長3〜5mほどの大辻は、村境7か所の木に掛け、1.5mほどの長さの小辻は各戸の戸口に掛けます。この蛇を作るには、昔からのいくつもの決まりがあり、「ネンバン」又は「ヤド」と呼ばれる家が世話係りとなり行われます。大辻は頭部と胴を別々に作り、力のいる胴を撚る作業は4人が力を合わせて撚りあげます。頭部には串にさした塞神のお札を付け、目玉はオビシャの時に分けられて米・麦・粟・稗・豆の五穀を炒り、これを和紙に包んで5cmほどの円径にしたものに墨で黒目を入れたものです。また、大きく裂けた口からは唐辛子の真っ赤な舌がのぞいています。県内でも蛇を掛ける辻ぎりは、ここ井野と市川市や船橋市の旧村に伝わるだけで、重要な伝承行事といえます。

毎年1月25日に、下記の @F に大辻が掛けられます。

             

             

               

 

  

  
担当 菅 智恵子