称念寺のムクロジ                              

ムクロジは、ムクロジ科に属する南方系の落葉高木で、雌雄同株です。古くはその果実の外皮を煎じて洗濯用の石けんい代用し、種子は念珠や羽根つきの珠として利用されていました。称念寺境内にあるムクロジは樹高22、5m、目通り幹回4,6mの大樹であり、この地における巨木として貴重な存在です。本樹は天正3年(1577)に称念寺が創設された際、初代住職が開山祈念としてタラヨウ、イチョウ等とともに境内地に植樹したものと伝えられており、歴史的にも価値の高いものと考えられます。老樹のため樹下部の一部が腐朽し、空洞化していますが、樹勢に衰えは見られません。往時においては、衣の汚れをおとす洗濯石けんとしてまた種子で念珠を作ったりして利用していたものと考えられます。                                              
                                                  担当 高橋一夫