仙台石を用いた佐藤泰然碑(不可けん碑)(フカケンヒ)は、高さ1.88m、幅1.4mの巨碑で、旧佐倉順天堂(佐倉順天堂記念館)の裏手の本町街区公園にあります。泰然(1804〜72)の徳をたたえるため、明治23年(1890)5月に佐藤舜海(1848〜1911、旧名岡本道庵、佐藤尚中の養子)により造立されました。「不可けん碑」(いつわるべからざる碑)の篆額(テンガク)(上部の篆書の部分)は、旧佐倉藩主堀田正倫(マサトモ)(1851〜1911)の筆になり、碑文は続豊徳(ツヅキホウトク)が撰文し佐治自謙(サジジコウ)の筆になります。泰然は、武蔵国稲毛(神奈川県)で旗本伊奈家の用心佐藤藤佐(トウスケ)の子として生まれました。のちに医学を志して長崎に遊学し、蘭方医学を学びました。そののち、佐倉藩主堀田正睦(1810〜64)に招かれて佐倉城下の本町に蘭医学塾順天堂を開き、多くの医師を育成しました。 この佐藤泰然碑の脇には、佐藤舜海の徳をたたえるため、生前の明治35年(1902)9月に造立された佐藤舜海碑(佐藤舜海先生頒徳碑)があります。同じく仙台石を用いた高さ2,2m、幅1.3mの巨碑で、「佐藤舜海先生頒徳碑」の篆額は堀田正倫の筆になり、碑文は続簡(ツヅキカン)が撰文し斉藤利恒の筆になります。


担当 菅 智恵子