佐倉養生所は佐倉藩の西洋式病院です。幕末の慶応(ケイオウ)3年(1867)9月に開業し、明治維新により翌年の閏4月には閉鎖されましたが、佐倉藩の西洋医学の進展を考えるうえで貴重な存在です。 この養生所は、万延元年(1860)にオランダの軍医ポンペや幕府の医官松本良順(佐藤泰然の二男)らが中心として長崎に設立した「長崎療養所」をモデルにしたものと考えられます。 この養生所では、12俵半取以下の小給の佐倉藩士や領内町在の窮民の収容治療と調薬が無料で行われました。また、藩で使う薬はすべてこの養生所で公的に調薬されました。
   担当 白木宏繁