集落羽鳥の甲賀神社は、集落を見おろす台地上にあります。境内はスダジイ・アカガシ・カヤ.スギ・クスなどの大樹が茂り、ほの暗い木影を形成しています。創立年代は不明ですが、大己貴命(オオナムチノミコト)を祭神とし、明治42年(1909)に浅間神社(祭神木花開邪姫命(コノハナノサクヤヒメノミコト))と山神社(祭神大山祇命(オオヤマズミノミコト))を合祀しました。 この甲賀神社には、県指定文化財の鹿面が伝えられています。面は長さ36cm、幅20cm、厚さ11cm、前頭部の長さ16.5cm、同幅20cmの大きさです。桐材の表彫刻し漆を塗り、裏はえぐり彫りとしています。元は動かすことのできる下顎が付いていました。 昭和40年(1965)頃までは村内の長男により、「ニニンダチ」が舞われていました。それは春秋の彼岸や例祭に、ひとつのかぶり物の中に一人が入って演じる神楽系獅子舞で、この古くから伝わる面は神前に供えられるだけであったといいます。
 担当 壷阪一弘