新町にある煉瓦造2階建、銅板葺、外壁タイル張り、正面腰部分板張りの建造物は大正7年(1918)に川崎銀行佐倉支店として建築されました。設計者はドイツ留学の経験がある建築家の矢部又吉です。又吉はドイツ風の建築手法を用いた建造物を多く手がけ、特に銀行の建築を得意分野としていました。 この建造物は、川崎銀行佐倉支店として使用されたあと、金融恐慌や国の政策などにより合併を繰り返し、昭和12年(1937)に佐倉町に売却されて町役場となり昭和29年(1954)の市制施行により佐倉市役所となりました。昭和46年(1971)に市役所が海隣寺町に新築移転すると公民館として、その後、昭和51年(1976)から7年間は市立図書館として利用されました。そして昭和61年(1986)からは佐倉新町資料館として利用され、平成6年(1994)11月からは市立美術館のエントランスホールの役目を持っています。 
担当 黒岡美江子