玉泉寺仁王堂の木造金剛力士像(千葉県重要文化財指定)は、「岩名の仁王様」として親しまれています。向かって右の阿形(あぎょう)像が188cm, 左の吽形(うんぎょう)像が189cmの堂々たるもので、ともに榧(かや)材の一木造りです。制作年代については、像の体内に明應6年(1497)に修理されたことが記されていることと、様式の特徴により室町時代の初期と考えられる。この像は「鹿島川を岩富方面から流れてきて、岩名の川岸に漂着したものを、近隣の人々が引き上げようと試みたが重くて持ち上がらず、ただ岩名の人々だけが運ぶことが出来た。このため岩名の地に安置され、まつられることになった。」という伝説が残されています。
担当 高橋 一夫