イヌマキはマキ科マキ属に属する常緑高木で、暖地の山地に自生する雌雄異株の樹木です。
 種子は10月ごろに熟し、その下に肥大した花托(カタク)ができます。花托は濃紅色から紫色に変わり、肉質で甘味があるので食べられます。木目が通る材は耐久性に富み、シロアリの害を受けにくいので建築材として使われます。
 千葉県では南部に植栽されており、県外にも庭木として出荷されています。マキは県内では生垣、防風林として広く利用されており、昭和41年(1966)には千葉県の木に指定されました。
 印旛郡役所跡のイヌマキは、敷地の東南の一角に植えられており、樹高12m、目通り幹囲3mの雄株の大樹です。樹勢はなお旺盛で、年々新葉を伸ばしています。市街地のマキとして貴重な存在です。
担当 高橋 勲