古 鐸
「舌出しの鈴」
大仏頂寺は下岩橋字田中にあり岩橋山と号し、真言宗智山派に属し佐倉五カ寺の一つである。寺伝によると、弘法大師が大仏頂の法を修めたところという。慶長、宝永、宝暦の三度火災となり、古文書はないが真言宗の談林(学問所)が設置されていた。寺宝には古鐸がある。この古鐸は中国から伝来したもので、通称「舌出しの鈴」といわれ、全長17.5cm 鈴部高さ9cm 口径10cmあり、三銛(さんこ)鈴に属するもので、柄部の三面に人面の彫刻があり、動かすとその一面から両眼と舌が飛び出すようになっている珍しいものである。鈴の上部と下部に中国風の文様がついている。古鐸は密教の法具として奈良朝時代に中国から渡来したものが始まりという。この古鐸は毎年2月21日の御影供の日に公開、拝観を許されている。
(「酒々井の寺社」酒々井町企画政策課)
担当 : 壷阪 一弘